遺産分けの準備は大丈夫?遺贈と死因贈与の違いを解説します!

公開日: : 最終更新日:2014/09/17 手続き


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おはようございます。
愛知県の行政書士 森智英です。

今回は、遺産分けの準備のお話しをしようと思います。

予め自分の死後の財産分けを決めておきたい場合、法定相続人以外の者にも渡す方法として「遺贈」と「死因贈与」の方法があります。

近似している、この2つの方法について整理してお伝えします。
また、相続人との関係において注意する点も書き加えたいと思いますので、最後までご覧ください。

遺贈とは

遺言者が、「遺言」により自分の死後にある特定の者(相続人であっても良い)に財産を与えるという行為のことを言います。

これは、遺言者からの一方的な意思表示となり、契約の種類としては「単独行為」と言われるものです。

※遺言は不備がなく、法的に認められるものでなければなりません。

死因贈与とは

財産を与える者(以下、贈与者という)と受け取る者(以下、受贈者という)が、贈与者の生前のうちに、死後において財産を与える旨を約束していることをいいます。

贈る側と受け取る側の双方が合意していることから、「双務契約」といいます。

後述しますが、これは口約束でも一応は成立するものです。

※「契約」というと、一般的には契約書を交わすイメージがあると思いますが、法的には当事者の意思表示が合致することで成立するものです。ですから、口約束も一つの契約といえるのです。

 

このように、遺贈は贈る側の一方的な行為ということになり、必ずしも受贈者に予め知らせる必要はありません。

これに対して、死因贈与については当事者間の合意が必要ですから、当然に受贈者は予め何をもらえるのかも知っていることになります。

約束が実行される時(契約の履行)について

では、約束しておいた財産分けは、いつ実行されるのでしょうか?
「遺贈」、「死因贈与」ともに、それぞれ遺言者または贈与者が死亡した時になりますが、一定の条件(負担)が付けられている場合は、それが満たされた時になります。

例えば、「受贈者が20歳になったら」「事業を継いだ後に」などがその一例です。

約束を拒めるか(契約の撤回や放棄)について

こちらも、「遺贈」および「死因贈与」ともに、遺言者または贈与者より先に受贈者が死亡した場合は、契約は無効となります。

では、受贈者の方が存命であって、遺贈または死因贈与の契約が実行可能な場合には、必ず実行されるものなのでしょうか?

その辺りをもう少し詳しくお話しします。

遺贈の場合

先述しましたが、遺贈とは遺言者の一方的な意思によるものです。これに対して受贈者は財産をもらいたくなければ、拒否することができます。

その場合ですが、遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があり、そのいずれかによって拒否する方法が違ってきますので、以下に述べたいと思います。

包括遺贈」とは、財産の全てを遺贈する、もしくは財産の半分を遺贈するといったように割合を示したものですが、その場合は実態的には相続と同じ扱いとなります。(細かくは相続人との違いはあります)

つまり、万が一負債があった場合には、もらえる財産の割合に応じて負債の責任を負わなければなりません。

それであれば、遺贈を拒否したいという考えになれば、相続放棄と同じ手続きが必要になります。

それに対して、「特定遺贈」とは、A土地を遺贈する、預金の1千万円を遺贈するというように財産を特定して遺贈するものをいいます。

この場合は、受贈者はいらなければその旨を意思表示するだけで構いません。一般的には内容証明で意思表示することになります。

ちなみに、拒否した財産は相続人が引き継ぐ財産として計上されることになります。

死因贈与の場合

遺贈の場合と同じく、受贈者から拒否することができます。

文書によらない口約束であれば、約束が履行されていない部分については一方的に拒否(撤回)することができます。

その場合は、故人の相続人側からも撤回することができますので、生前に故人がした口約束まで義務を果たす必要はありません。

受贈者と法定相続人との関係について

本人の死亡を原因として、財産を与えることになる「遺贈」と「死因贈与」の場合には、贈与税はかかりません。
その代わり、法定相続人以外であっても相続税がかかることになります。

なお、相続税を計算する場合には、課税対象の総財産から控除分を差し引いて、それぞれ各人の分割分に相当する税額を割り出します。

ちなみに、控除分の計算をする場合は、現状では5000万円+(法定相続人数×1000万円)になります。

また、財産を分け合うための遺産分割協議には、包括遺贈の場合には受贈者も相続人と同等の立場になりますので、参加することができます。

最後に注意として、

包括遺贈にかかわらず、それぞれの受贈者と法定相続人との間にはトラブルになりやすいので予め配慮しておくことが必要です。

法定相続人には、最低限の取り分として「遺留分」が法律で決められています。

ですから、その遺留分を侵害するような遺贈および死因贈与は極力避けることをおススメします。

また、遺言者は遺言の中身に贈る理由や切実な思いを明記したり、予め相続人に理解を求めるようにすることもスムーズに遺産を分けるためには大切なことです。

以上、参考になさってください。

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